きんぴらごぼう

山崎より白州が好き!
どうも、あすも院長です。

今回は便秘についてお話ししていこうと思います。
少し長くなりますが、最後まで目を通していただけると嬉しいです。

便秘 Constipation

最近、問診していると腰痛や肩こりなどの主訴だけでなく、便秘を気にされてる方が多く見られます。

偏った食生活、水分不足、不眠、ストレス、生活リズムや自律神経の乱れなど、便秘の原因はさまざまです。

便秘になると、どうもお腹が張って仕事に集中できなかったり、息が臭くなったり、排便時に切れて痔になったりと、一つもいいことはありません。

また深刻な病気が裏に潜んでいることあるので、決して軽くみることもできません。

今回は、便秘について理解を深めて、対策を考えてみたいと思います。

 

西洋医学における便秘

便秘は器質性便秘と機能性便秘に大別され、機能性便秘はさらに痙攣性便秘と弛緩性便秘と直腸性便秘の3つに分類されます。
*専門用語なので難しく思う方は、流し読みしてください。

●器質性便秘・・・大腸の狭窄・腫瘍などの圧迫による。(鍼灸治療は適応外)

●機能性便秘・・・旅行や引越しなどの環境変化や食事内容の急変などで起こる。
1)痙攣性便秘・・・副交感神経の亢進
2)弛緩性便秘・・・副交感神経の抑制
3)直腸性便秘・・・排便反射の減退(交感神経機能の異常)

その他、便秘や下痢を交互に繰り返す、過敏性腸症候群もあります。

習慣的に便秘になっている方は、市販の便秘薬や胃腸科・肛門科などで処方される酸化マグネシウムなどで対応することが多いかと思われます。

しかし、薬をずっと飲み続けるのもなんだか疲れるし、それ自体がストレスになったりして、決していいものではありませんよね。

鍼灸医学における便秘

鍼灸治療においては、少し異なった視点でアプローチを試みます。

便秘は中医学では「大便秘結」「大便不通」などといったりします。

大まかには、熱秘・気秘・虚秘・冷秘などに4つ分類されます。聞きなれない言葉だと思うので簡単に説明を加えます。

熱秘(ねつひ)→熱証タイプ
辛い食べ物や偏食により胃腸に熱がこもって起こる便秘。水分不足(津液不足)による。
【症状】お腹がつっかえて張る。便が詰まっていて抑えると塊に触れる。おならがよく出る。また、顔が赤く、体が熱くなりやすい。頭痛や口が渇いたりする。小便は黄色で少ないなど。

気秘(きひ)→実証タイプ
ストレスや長時間座っていたりして、気が滞り、腸の伝導が悪くなって起こる便秘。
【症状】お腹の膨満感。食欲がない。げっぷが出る。めまいするなど。

虚秘(きょひ)→虚証タイプ
病気や出産の後に気血が回復しないために起こる便秘。(気が弱ると伝導する力が落ち、血が虚すると腸の潤いが失われる)
【症状】便意があるけど出づらい。便は硬くてウサギの糞の状態。排便すると疲れてしまう。発汗や息切れなどがあり、ひどい時はめまいなどするなど。

冷秘(れいひ)→寒証タイプ
虚弱体質や高齢者に見られる。陽気が衰えてうまく身体を温めることができず、冷えた胃腸が機能低下するために起こる便秘。
【症状】排便困難。お腹・腰ひざ・手足の冷え、夜間尿など。

ざっくりと「○○タイプ」という言い方にしましたが、自分がどういう体質傾向にあるかを知っておくと対処もしやすくなるかと思います。

便秘解消のヒント

原因が何であれ、便秘薬などを服用して対処されてる方は多いかと思いますが、できれば薬には頼りたくないのが正直な気持ちですよね。

腸内フローラの話は以前にもブログで紹介しましたが、やはり胃腸の健康を正常に保つということが第一です。食生活を見直し、適度な運動、しっかり入浴&睡眠を心がけましょう。

食事

まず塩分を控えましょう。

主食である白米やパンなどの炭水化物は、雑穀米・玄米全粒粉のパンや麺がお勧めです。また蕎麦も腸を活発にしてくれます。

食物繊維を多く含む野菜海藻類はできるだけ習慣化して食べるといいかと思います。また発酵食品である味噌納豆なども腸の働きを良くしてくれるでしょう。

何よりも、よくかんで食べることを意識しましょう!

あと、寝る直前に飲み食いするのも禁物です。。。

そして、①夜寝る前と②朝起きた時の空腹時に、コップ1〜2杯のを飲むことをお勧めします。③日中も適度に水分を取ることを忘れないようにしましょう。健康のことを考えると、ミネラルウォーターが望ましいです。

運動

運動不足の場合、よく勧められるのはウォーキングですが、時間もかかるし、着替えなきゃいけないとか色々面倒なのは確か。そして効率もそれほどよくありません。

運動の目的は適度に心拍数を上げて、血行をよくすることです。なので、部屋で簡単に行えるエクササイズはいかかでしょうか。

すばり、バックランジ腹筋がおすすめです。短時間で行えるサーキットトレーニングなので、毎日10分程度行えば、基礎代謝が上がって、ダイエットにもつながります。

パーソナルトレーナーの方がYoutubeで丁寧に説明されていたのでリンクを貼っておきます。とても参考になりますよ!

 

入浴と睡眠

これからの寒い時期には欠かせない入浴。冷え性の方はもちろん、自律神経の調子が良くない時にお勧めです。入浴はリラックス効果があり、交感神経の緊張を緩めます。また入浴後90分後くらいがちょうど眠気がくる入眠に適したベストタイミングと言われているので、寝つきが悪かったり、眠りが浅い方は寝る時間に合わせて入浴されるといいでしょう。

睡眠が深まると交感神経が静まる一方で、腸管運動を促す副交感神経が活発になります。大腸運動の低下を起こさせないためにも、睡眠はしっかりとりましょう。

ストレス

言わずもがな、ストレスが多くなると自律神経は乱れます。精神的なストレスにしろ、肉体的なストレスにしろ、腸にとってはいいことではありません。

自律神経の乱れはストレスから起こります。リラックスするためにも、運動や趣味、マッサージなどもお勧めです。

ストレスについては、過去の紹介本などで話していますが、またの機会に詳しく解説できればと思います。
ストレスとはなんだろう

東洋医学でセルフケア

食事・運動・睡眠・入浴にさらにもうひと押しとして、セルフマッサージやお灸のできるツボを紹介します。

まずおへその周りをよく摩ったり、押したりしてみましょう。特におへその左下あたりを探って抑えてみると、張っていたり硬かったりする部分があって詰まった便を体表から触れることができます。しっかりその部分をほぐして、大腸運動を促しましょう。

次に、便秘に効果的とされるツボを紹介します。

まずは手の親指と人差し指の付け根にある 合谷(ごうこく)というツボです。

合谷

過去に紹介しているので、初耳のひとは読んでみてください。
自律神経を整えるならこのツボ!【合谷】

また脚の 足三里(あしさんりというツボやその下の脛(すね)の外側のラインを探ってみて、張っていたり痛い部分を揉んだり、お灸をしたりするのもオススメです。

足三里(緑)

足三里についても過去ブログに紹介しています。
胃の不調はこのツボを一押し!【足三里】

バナナうんち

うちには未就学児が2人いますが、上の子はようやくウンチの後に一人でお尻を拭けるようになってきました。それでもちょっと前までは、お尻ふきはパパの役目だと言わんがばかりに、うんちが出終わるとすぐにトイレからお呼びの声がかかります。妻が行くとなぜか拒否されて、私が行かざるをえません。💦

子供は「ほら見て、バナナうんちだよ!」嬉しそうな笑顔で見せてくれます。

私も「本当だね〜、ちゃんとにお野菜も食べてるから、健康なうんちが出るんだよ」と毎度決まり文句のように、ニコニコ顔で答え返してきました。ある種の洗脳です。

野菜たくさん = バナナうんち = 健康

おかげでホウレンソウや小松菜などの葉っぱ野菜はまだ苦手なものの、好き嫌いが非常に少ないなんでも食べる子供に成長しています。比較的、妻も手間を惜しまず料理をしてきているため、しっかりと食育はできているのではないでしょうか。(妻に感謝!)

ウンチは健康のバロメーターとよく言われますが、うんちの色・ニオイ・状態などは腸管の状態を探れる一番簡単な方法であることは間違いありません。

状態の良いうんちを確認することで、我々親も胸を撫でおろすわけです。

腸内環境が乱れは、免疫力の低下にもつながることは前回お話ししました。
『免疫力』正しく知って、正しく整える

バナナうんちが出るように、いろいろ工夫してストレスのない快適な毎日を送りましょう!

おわりに

慢性的に便秘のあなたは「私は便秘体質だから」と決めつけて、便秘薬に頼り切った生活を送っているかもしれません。

たかが便秘薬と思っているかもしれませんが、薬を飲まないと生活することができないということは、「実は自分は健康ではなかった」のだということを認識してほしいのです。

薬を飲む = 不健康
薬を飲まない = 健康

よく日本人は薬が大好きだと揶揄されますが、実際そうだと思います。ちょっと風邪を引けば、薬を飲むし、多少の発熱でも解熱剤、胃薬もよく飲む。便秘薬も然り。

もちろん薬は効き目が強く、必要に応じて服用することは大切です。薬を全部を否定するものではありません。

しかし、体質が変わらない限り、根本的には治ったことにはなりませんし、繰り返し症状は出てしまいます。

もしかしたら、毎度 薬を飲むあなたの姿を見ている家族や友達、そして大切なパートナーは、実はすごく心配しているかもしれません。

つまり、それってあなただけの問題ではなく、知らぬ間に周りの大切な人たちにとっての ストレス になっているかもしれないのです。

多少大げさに聞こえるかもしれませんが、このブログを見て少しでも体質改善のきっかけにしてもらえれば幸いです。

便秘解消のヒントは先に述べました。あとは実行あるのみ!
いつも清々しい笑顔で 家族と、友人と、大切なパートナーと 過ごせたらいいですね!!

 

鍼灸治療も便秘や諸症状に効果的なので、お悩みの方は気軽にご相談ください。
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