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どうも、あすも院長です。

今回はツボについて紹介してみようかと思います。

実はツボ一つ一つの効能などについては、今まであまり触れてきませんでした。というのも、いわゆるテレビや美容雑誌・一般向け健康書籍などで、「このツボは○○に効果があります。こんな時はこのツボを押してみましょう!」などといった内容のものがあふれかえっており、今さら感があったのと、実際に鍼灸臨床であつかうツボの意味とか使い方とは内容が異なることが多々あるうえに、一つの説明・理解をしようとすると東洋医学の膨大な知識が必要になるため、文才のない自分にとっては消化不良になりかねないし、読者の方々もそうなるだろうと思っていたからです。

とはいえ、ツボ一つをそこまで深掘りして知りたいという人もまあ稀でしょう。興味があれば、鍼灸師や指圧師になるか、ご自身で色々漁って勉強するでしょうから。。。

そんなわけで、ある程度の意味を理解して、日常の健康ツールの補助として使ってもらえたら幸いです。

過去に何度かツボについての記事をアメブロで書いたことがあります。
まあまあ専門的で硬い文章なので、読んでもはてな?の感じかと思いますが
興味ある方はご覧ください。
その時の記事はこちら➡︎ あすも院長の思うところ

そんなわけで、本題に入っていきましょう。

改めまして

東洋医学でいう

ツボ(経穴:けいけつ)

について紹介していこうかと思います。

一般的にツボという言葉は、「ドツボにはまる」とか「ツボを心得てる」だとか「思うツボにはまる」のような何か「そこ!」という共有認識のもとで何かに当てはまる重要なことを指すような意味合いで使われていると思います。

広辞苑で調べてみると、壺と言う漢字がまさにそれでしたね。

意味は以下のとおり書かれてまして、④に出てきた意味がいわゆる鍼灸でいうツボなので少し詳細に記しました。

①自然にくぼんで深くなった所
②口が細くつぼまり胴のまるくふくらんだ形の容器
③ある物をさし込む部分
④ここと見込んだ所
  a) 矢を射る時にねらうところ。矢所。
  b) ずぼし。
  c) 急所。要点。かんどころ。
  d) 灸をすえるべき場所。灸点。

凹みから転じて、口の細い容器、差し込むもの、急所、要点などと・・・ふむふむ語源がなんとなくわかったよね。

まあそういうことで、ツボという言い方は、俗称というか一般用語なんだということだけは理解していただいて、先ほども記してますが、専門的には「経穴」と言います。

でも経穴(けいけつ)という発音は、一般的には女性の生理現象(経血)を連想させるため、やはりツボという言葉で解説していく方がよいですね。

前置きが長くて、なかなか本題にたどり着かないので、一言だけ言わせてもらってからツボ紹介に入らせてもらいます。

鍼灸師としてのこだわり

それは、、、

「ツボは効くものではなく、効かすもの」

<<格言か!

平たくいえば、押せば効くってわけじゃない!という話です。鍼灸師なら一度くらいは聞いたことある言葉です。

じゃあ、ツボを自分で押しても意味ないんですか?とか、雑誌に出てる情報が間違いなの?という人もいるかもしれませんが、全然そういうことではありません。

あくまでも、鍼灸師として、どのようにツボを選んで施術するかというのが重要なテーマであるという意味なのです。またまた専門的で硬い話になりそうなので、ウンチクはやめておきます。

ご家庭では、肩がこれば叩いたり、押してもらったり、腰も痛めば、踏むだのテニスボールでゴリゴリやったりと思う存分にやっていただきたいと思っています。(やりすぎには注意!)

ツボシリーズ第一回目は

合谷(ごうこく)

いきなりですが、私のクドイ文章を読んでいても埒があかないでしょうから、イメージ動画を作りました。まずはご覧ください!

「谷」とは肉の盛んな部分、「合」とは会合する(寄り会う・あつまる)という意味。本穴は親指と人差し指の付け根の肉が盛り上がっている部分にあります。それゆえ合谷穴と名付けられてます。

詳細は以下の通り(経絡経穴概論・医道の日本社より引用)

合谷(原穴)<四総穴の1つ>
取穴部位:第1・2中手骨底間の下、陥凹部、第2中手骨よりに取る。
筋肉:第1背側骨間筋
運動神経:尺骨神経
知覚神経:橈骨神経浅枝
血管:第1背側中手動脈

合谷穴 LI4

合谷穴は、手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい)のツボです。(ツボの名称を示すとき「穴:ケツ」をつけて呼ぶとより専門的)

東洋医学でいう「大腸」「小腸」「胃」「肝」「肺」「腎」「脾」「心」などという五臓六腑に関しては、西洋医学の臓器と全く一致するものではないので、あまり気にしないでください。

とはいえ、「大腸」と書かれているので、便秘や大腸の病気に使うこともあるのですが、まあ、それもある、くらいなイメージで話を進めていきましょう。

経絡とは経脈・絡脈の略で、「気」が流れるところ。東洋医学では「気」は重要な概念なのですが、これらの流れが滞ったりしてバランスを崩すことで病が起こるとされています。

手の陽明大腸経は、人差し指から始まって肩の方へ上がっていき、肩甲骨上部を背骨(第7頸椎)に向かい、体の前・鎖骨上部を通って上がり、口〜鼻孔まで巡るという経路をたどります。

よく、鍼灸治療で手や足のツボを使うというのは、経絡の走行と関連付けられているからで、鼻炎や花粉症なのに、鼻の周りだけを施術するわけではないのは、こういう理由があるからです。

四総穴歌(しそうけつ か)というものがあり、

肚腹は三里に止め
腰背は委中に求む
頭項は列缺に尋ね
面口は合谷に収む

面口、つまり顔や口の痛みは合谷を使えというふうに言われています。

(他の三里、委中、列缺に関しては別の機会に紹介します。)

もちろん、この歌だけが合谷穴の使い方を示唆するものではないので、他の経絡や臓腑、気血などの関わりをもとに、ツボ選びを決定はします。

「昔の人がそう言ったから」「古典にそう書かれてるから」というのが東洋医学の根拠になっていることが多いので、西洋医学・科学を基礎とする考え方でせめるといささかトンチンカンな感じにもなるので、その辺は大目に見てやってください。

合谷穴は、顔や口の疾患によく活用されていて、頭痛・歯痛・顔面神経マヒ、三叉神経痛、副鼻腔炎、鼻炎、咽頭炎、扁桃炎、難聴、目の病などが施術対象になります。また、自律神経の調整や免疫力アップも期待できます。大腸経の原穴(臓腑の病に使う)であることから、下痢や便秘、胃痛腹痛にも応用できます。

ただし、これはどのツボにも言えることですが、合谷穴ひとつだけを押しても、すごい効果が出るというものでもないので、主訴以外の症状や状態を踏まえて、他のツボも併用することが望ましいです。

とりあえず、合谷は様々な症状に応用が利くので、1番目に覚えておいてほしいツボです。リラックス効果もありますし、日頃の健康維持としての「健康穴」としても活用できるので、毎日一回、左右の合谷を指で押さえたりして刺激してみるのもオススメです!

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