お雑煮には三つ葉とゆず皮が必需品ですな。
しかしまだまだ正月太りをどう解消するか模索中です。早く行動を起こさないと・・・
どうも、あすも院長です!
さて今回は、TFCC損傷 というものを少々説明してみたいと思います。最初に簡単に言っておきますと、これは「小指側の手首の痛み」が主な症状で、年齢問わず起こりうる比較的よく見るタイプの症状です。症状も軽症なものから重度なものと幅があるため、我慢しているうちに症状が消えてしまうこともありますが、悪化すると痛みが強くて結構辛いので受診される方もいます。
では TFCC損傷について話を始めていきます。
TFCCとは?
TFCCとは 「三角線維軟骨複合体」といい、英語の Triangular Fibrocartilage complex を略してTFCCと呼びます。単純に「ティーエフシーシー」と言います。
この部分に、転倒などで手を強く衝いたり、手首の使いすぎや変性が起こったりして痛みが発生します。手首の内側(小指側)に限局的な痛みが生じるので、きっかけや日常生活などから推察はしやすいと思います。
手関節の解剖
少し専門的なので、興味のある方はお付き合いください。人間の手は骨が細くたくさんあります。それゆえ、手の緻密な動作が行えるのですが、手首には手根骨という8つの小さな骨があります。絵で見ると多少わかりやすいかと思いますので、ご覧ください。
*先ほど、8つの手根骨と言いましたが、豆状骨は手のひら側にあるため、上の図では見えていません。
【手根骨の暗記】
橈側(親指側)から順に
・近位→
①舟状骨(しゅうじょうこつ)
②月状骨(げつじょうこつ)
③三角骨(さんかくこつ)
④豆状骨(とうじょうこつ)
・遠位→
⑤大菱形骨(だいりょうけいこつ)
⑥小菱形骨(しょうりょうけいこつ)
⑦有頭骨(ゆうとうこつ)
⑧有鈎骨(ゆうこうこつ)
*ゴロで覚えることもできるよ!
→『父さん月収、大小有り有り』(豆・三・月・舟、大・小・有頭・有鈎)
*ただし位置を理解してないと、学校のテストでは間違えてしまうよ。。
手首の小指側に注目してみましょう!
赤枠の部分を詳しく見てみると・・・
二つの手根骨(三角骨・月状骨)と尺骨との間に形成される関節部。これに関わる靭帯や関節面をひっくるめて、TFCC(三角線維軟骨複合体)と呼んでいます。
解剖学的には、尺骨手根複合体ともいうようですが、一般的に 三角線維軟骨複合体 の方がよく使用されている言葉だと感じます。しかし実際のところ、同業者間の会話では、略称 「TFCC」を普通に使うため、長々と日本語では読むことはほとんどありません。
TFCC = 三角線維軟骨複合体 = 尺骨手根複合体
TFCCは、靭帯と関節円板(尺骨手根円板)の複合体で、手関節尺側(手首小指側)の衝撃を吸収するクッションの役割と、遠位橈尺骨間の動きを制御するスタビライザーの役割を担っています。
●TFCCの機能的区分
・関節円板(尺骨手根円板または三角円板)
・背側橈骨尺骨靭帯および掌側橈骨尺骨靭帯
・尺骨月状骨靭帯および尺骨三角骨靭帯
・尺骨手根半月(尺骨手根円板と混同しないように!尺屈時に力を受ける面の拡大に寄与)
・内側手根側副靭帯
・橈骨三角骨靭帯(背側橈骨手根靭帯の一部)
先ほども述べたようように、転倒して手をついた時や、手首をひねる動作など使いすぎによりTFCCを損傷してしまい、痛みが発生します。きっかけはいたって単純ですが、一度痛めるとなかなか治らないのも特徴です。 TFCC損傷が治りにくい理由として、関節円板の中央部および橈側部においては血管の分布がないことが挙げられます。
痛むエリアは限られていて、特に手首を小指側に曲げるとTFCCが圧迫を受けて、痛みが増強します。また、上の写真のように関節部を押さえると痛みを感じたりもします。尺骨の茎状突起(けいじょうとっき)などに骨折がある場合などは、関節の不安定性をもたらします。
TFCC損傷の対処法
基本的には、痛みの原因となる動作を止めて、手首の安静を図ることが第一です。なるべく痛みのある手を使わないというのが理想でしょう。どうしても使わなければならない場合は、手首のテーピンや固定もいくらかサポートになることがあります。
私も過去にボルダリングを熱心に行っていた頃に、無理なムーブをして左の手首を痛めてしまったことがあります。まさに絵に描いたようなTFCC損傷でした。しばらく痛みを我慢しながらもボルダリングジムには通っていましたが、痛みを気にする余りパフォーマンスが全く上がらなかったので、仕方なくトレーニングを数週間休んだのを覚えています。やはり安静を保ったおかげで、悪化は免れたし、復帰することもできました。現在は全く手首に痛みはありませんが、また同じムーブをしたら怪我する気がするので少し恐々です。。。まあ最近は、めっきりボルダリングから遠ざかってしまっていますが・・・
なお、痛みが強い時は、アイシングなどを行って痛みのコントロールも有効ですが、治癒の観点からすると温熱療法などで血行を促進して損傷組織の回復を目指すのが有効かと思います。家庭なら入浴は効果的ですし、当院では超音波療法や鍼灸などの施術にて対応いたしております。改善が見られない場合は、最終手段として手術の選択肢もありますが、1度の手術で治らないケースもあるようなので、悪化する前に保存療法を行いながら症状の軽減を目指すことをお勧めします。
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