麦焼酎より、芋焼酎が好き!
どうも、あすも院長です。
正月休みもあっという間に過ぎ、平常運転再開です。子供と出かけてばかりの休暇だったので、なんだか全く気持ちは休まっていませんが・・・
しかし寒いですね。本格的に冬になってきました。仕事柄、患者さまには「くれぐれも体を冷やさないように」というセリフを残して、お別れをすることが多いのですが、今回はブックレビューということで、「冷え」に関する題材を扱っていきたいと思います。
著書:「体を温める」と病気は必ず治る
著者: 石原結實(医師)
西洋医学の医者でありながら、西洋医学を否定する立場?をとられて、現代医療の問題点に警鐘を鳴らす人物といえます。
著者の評価をするものではないので、本書の内容について私なりの解釈を踏まえて書いていこうと思います。
1〜6章の構成で以下の通り。
1章で、なぜ体が冷えるのかを説明。
2章では、病気にかかる理由と体を温めることで病気が治るというメカニズムを解説。
3章は、体を温める食生活(レシピ)を紹介。
4章で、お風呂や運動など日常生活で体温アップ法について。
5章は、疾患別の対処法を解く。
6章で、患者さんの経験談を掲載。
知ってて悪くない情報をいくつか抜粋してみます。
1章
体温が下がるとどういう症状が表れるか
36.5℃・・・健康体、免疫力旺盛
36.0℃・・・ふるえることによって熱産生を増加させようとする
35.5℃・・・恒常的に続くと
・排泄機能低下
・自律神経失調症状が出現
・アレルギー症状が出現
35℃・・・・ガン細胞が最も増殖する温度
34℃・・・・水におぼれた人を救出後、生命の回復ができるかギリギリの体温
33℃・・・・冬山で遭難し、凍死する前に幻覚が出てくる体温
30℃・・・・意識消失
29℃・・・・瞳孔拡大
27℃・・・・死体の体温
著者は、冷え=体温低下と様々な病気との関連性を示し、毎日計るべくは体重ではなく体温である!と主張する。
また体を冷やす原因として、運動不足、夏の冷房、ストレス、誤った入浴法、食べ物・食べ方など一般的に認知されていることも挙げている。
2章
血液が汚れることで、体のあちこちの細胞が痛み出すことで、その汚れをなんとかして細胞を守ろうとするが、その反応として、発疹・炎症・動脈硬化・高血圧・血栓・ガン・出血などが起こるという。
冷えは血液の汚れ、東洋医学でいう「瘀血」(オケツ)を引き起こすと解説。
「血液の汚れ」について著者の西洋医学的な説明は以下のとおり
尿酸、尿素窒素、乳酸、ピルビン酸など、さまざまな老廃物が血中に増えてくること。また、コレステロールや中性脂肪、糖、各種ホルモン、赤血球や白血球、酵素類などの常在成分が増加する。
瘀血(オケツ)とは、血が何らかの原因で滞った状態。気と血の流れが正常に保たれることで、体は健康を維持するという東洋医学の基礎概念である。
そういうことから、免疫力(白血球)を最高に働かせ、体温上昇をさせることが大事だと説いている。
「白血球や免疫力」の話は少し専門的なので、生物学や医学の知識がない方には難しく感じるかもしれませんが、それ以外は医学素人の方でも大方理解できるものかと思います。(機会があれば、免疫のトピックも設けたいと思います)
3章
雑学・・・英語で朝食をブレイクファスト( Breakfast )と言いますけど、fast とは近年流行った ファスティング・ダイエット(Fasting diet)のファストと同じで、「断食」という意味です。人間は夕食をとってから朝食までの10数時間を毎晩断食しているわけで、それを壊す・破る・中断する( break)のが朝食であるという意味から、ブレイクファストという言葉が生まれたということです。
断食は皆さんもご存知の通り、一種の治療法として世間では知られています。通常、数日間の断食を終える場合、葛湯や蕎麦湯などを飲みながら段階的に固形物を口に含むようにしていくもので、著者は朝食も同様に固形物でなく、液体を含むことを推奨する。
それが、石原医師が奨める「ニンジン・リンゴジュース」です。
レシピは簡単。ニンジン2本とリンゴ1個〜半分をミクサーにかけ、絞って飲むだけ。お好みで水を50~100mlくらい入れても良い。
[あすも院長の感想]
私も朝時間に余裕がある時は、実践するように心がけています。慣れてくると手際よく10分程度で作れます。だいたい水を入れなくても、200ml は絞れると思います。(皮は剥かない方が、栄養価は高いのでしょうが、有機野菜ならいざ知らず農薬が気になるといったところ…)たとえ皮を剥いたとしても、それなりに栄養は取れると信じて実践しています。
そのニンジン・リンゴジュースを朝食にとり、昼食はお蕎麦(ざる・わかめ・とろろなどヘルシーに)や軽めの和食、夕食は和食中心に好きなものを好きなだけ。というのが著者の体を温める「プチ断食基本食」。
この食事法を続けることで、肥満、高脂血症、脂肪肝、高血圧、痛風、アレルギー、胃腸病、婦人病、リウマチや潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患も改善の見込みがあるというのである。またガン予防や再発・転移防止にも効果が見込まれるというのである。
[あすも院長の感想]
とても参考にはなると思いますが、現実的にこれを毎日実行するとなると結構難しいと思われます。経済的な理由もありますし、時間的な理由もあります。特に欧米化されて現代食に慣れている我々にはなかなか受け入れ辛い部分もあるかと思います。また都市部で生活されている人々にはほとんど無理に近いのではないかと思います。なので、本書に描かれていることを真に受けてすべてやれる人はごく稀かと思います。
とはいえ、基本的な考え方は参考にはなると思います。体を構成するのは間違いなく口から摂る食物に他ならないからです。実際、このような食事法で健康を取りもどした人も多くいるのは事実でしょう。ただ健康を維持するということは、それなりの覚悟・コミットメント・強い意志が必要ということでもあります。
ストイックになれる人、なれない人がいると思いますが、東洋医学的な(ユルい)感覚から言えば、ほどほどにで良いのかと。いいと思うことは実践してみる。足りなきゃ補えばよい。やりすぎは禁物。
参考までに、体を温める食べ物選びの基本7項目。
1)北方産(寒い地方で獲れたもの)
2)硬いもの
3)赤・黒・黄・橙色
4)塩分が多いもの(お酢よりも塩!)
5)昔からの主食
6)日本酒・赤ワイン・紹興酒
7)熱を加える、塩を加える、発酵させる
4章
入浴法、運動法などについて解説していますが、これについては色んな方が様々な立場で意見されているところだと思うので割愛します。要するに、個々の状態によって、何通りでもやり方があるということです。
[あすも院長の考え]
私見ですが、一般的に医師の勧める運動法はあまり参考にならないかと思います。お医者さんは医学の専門家ですが、運動に関する知識があまりないのが一般的です。整形外科の先生ならいざ知らずですが、例えば内科の先生など筋肉の名前すらまともに言えないのが現実です。なので、運動に関しては色んな情報を駆使して、自分にあった健康法を探して欲しいと思います。一般的ではありますが、有酸素運動と多少の筋肉運動は適度にされることをお勧めいたします。詳しく知りたい方は、ぜひ当院まで!
5章
各病気への対策は参考書的に、その都度みて勉強すると良いかと思います。
6章
患者さんの治った良くなった経験談は、まあそういう人もいるんだろうなというくらいで、参考程度にみればいいと思います。
【まとめ】
著者が落語の「葛根湯医者」というものに触れています。
患者が風邪を引けば、「それなら葛根湯」
下痢をしたと言えば、「はい、葛根湯」
湿疹ができて大変だ、「やっぱり葛根湯」
葛根湯しか処方しない江戸時代の医者のことだが、ほとんど病気を葛根湯で治したのだから葛根湯医者もバカにできないという話。
なぜそれほどに葛根湯を重用したかと言えば、葛根湯が体を温める成分でできているということからも、当時の医学がいかに体を温めることが重要視されていたかを物語るものであります。
風邪は万病のもと。冷えは万病のもと。体を冷やしていいことなし。そういうことからも、体を温めるということは私たちにとって最善の健康法であり病気予防の方法なのだと思います。
当院は鍼灸院なので、ギックリ腰で駆け込まれる患者さまが多いですが、ギックリ腰の最たる原因も下半身の冷えです。肩こりや首の寝違えも冷えが多いに関係しています。病気になる原因は一様ではありませんが、体温を高く保つというのがいかに大切で、あらゆる病気を予防するかということを理解する上で、間違えなく本書は皆さまの役に立つものと考えます。
痛み、ストレス、体力低下などのご相談は
品川駅徒歩5分
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