ミラノサンドCより、ミラノサンドAが好き!

どうも、あすも院長です。

武漢コロナウイルスが世界的パンデミックとなってしまい、アメリカやヨーロッパでは大変なパニック状態に陥っているようです。都市封鎖や外出禁止の措置などが行われているようです。

当方日本国はというと、毎日のようにテレビメディアで「○○県で初の感染者!」のような見出しで、その県知事が会見を開くというようなことを一生懸命放送していますが、そんなニュースを見て誰が得をするのでしょうかね。。。

いずれにせよ、感染者は着々と増えていっていますが、発生源である中国はさておき、ヨーロッパで一番ひどい状況であるイタリアに比べると、感染者数・死亡者数ともにかなり抑えているような気がしますが、日本では検査の数が少ないということを踏まえるとまだまだ予断は許さない状況であると言えるでしょう。

参考までに、3月17日
イタリア 感染者31506人、死者数2503人
韓国    感染者8320人、死者数81人

日本 3月17日12時(河野太郎大臣のTwitterより)

国内感染者829
退院171
入院中557 (軽中度318,人口呼吸/ICU46,確認中182,待機中11)
陽性無症状入院69
症状有無確認中4
死亡28

クルーズ船(3月16日)
陽性712
帰国40
退院508
死亡7
入院中157

前置きはさておき、今回もブックレビューです。

著書:インフルエンザ なぜ毎年流行するのか
著者:岩田健太郎

岩田氏の名前を聞いて、ピンときた方もいるかもしれませんが、今回のコロナウイルスでクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗り込み、船内の状況を赤裸々に Youtubeにアップして世界のメディアから注目を浴びた人物。感染症専門の医師で、SARS流行時の中国や、エボラ出血熱流行時のアフリカへ自ら赴き、任務に就くような使命感の強い方と察します。現在神戸大学に籍を置いている感染治療学の教授です。

岩田教授の著書は他にも持っていますが、なかなか筋の通ったことを言っている気がして嫌いではないです。ネット上ではいろいろバッシングやアンチなコメントを浴びているようですが、めげずに頑張って欲しいと思います。

私は学生時代「病原微生物学」という授業がありまして、勉強不足で2度も再試験を受ける羽目になり、猛勉強してやっとパスできたという苦い経験もあります。そんなこともあり、以来「免疫学」とか「感染症」「公衆衛生」などは個人的には興味のある分野のひとつです。なので、そういった類の教科書や本はいくらか持ち合わせています・・・ 岩田教授の著書からも、いろいろ勉強させていただいています。

ただね。。。岩田教授

「インフルエンザがなぜ毎年流行するのか」という質問の答えを知りたくてみんな購入してると思いますよ、この本を。

なのに、はじめのたった20ページ目(全255ページ)で

ま、というわけでインフルエンザが「なぜ」流行る? 結論を申し上げると「いろんな説があるけど、よーわからん」といったところでしょうか。のっけからモヤモヤで申し訳ないです!(原文引用)

それはないでしょ・・・

ずるい・・・

まさにオチから始まる本なのですが、それでもいろいろためになるので最後まで読んでしまう本なのです。

冒頭での執筆理由を2つあげています。

1. 日本の人たちは、感染症をはじめ健康や病気についての正しい情報を持っていない。
2. そういう「正しい情報」は、別に専門家でなくても携えることは可能だ。

メディア(TV、新聞、雑誌)やいわゆる書店に並ぶ健康本などを痛烈に皮肉ったり、いわゆる専門家(御用学者)などへの苦言を呈しながら、世の中に出回っている感染症のウソ・ホントを小話などを交えながら感染症の知識をいろいろと提供してくれています。

多少、医療知識や英語圏で経験がある人には、ハナにつく言い回しだったり、自慢めいた表現に取れる部分があるかもしれませんが、そこは大目に見ましょう。それ以上に得る知識の方が多いかと思います。

以下はトピックの抜粋、

・インフルエンザワクチンの効果36%>受けた方がいいのか?
・学級閉鎖は意味あるのか?
・ユッケでO-157中毒が出たのに、なんでレバ刺しが禁止なのか?
・感染予防のためには性教育が重要だと提唱!(しかし国・行政が積極的でない)
・梅毒が年々増えてきてるが、対策はなされていない現状。
・エイズは死なない病気になった
・HPVワクチンの有効性
・抗生物質の是非(不要または不適切な処方について)
・水際対策意味あるか?(検疫官は税金の無駄遣い?)
・サーベイランスの重要性は対策ありき

などなど、他にも興味深いトピックがたくさん書かれていて、当然ながら岩田教授の主観も入ったりはしていますが、あくまでも医者として科学的データに準ずる話をされています。

うがい・手洗い・マスク

いろいろためになるトピックばかりですが、特に納得したのは「サーベイランスと対策」についての話です。

サーベイランスはあくまでも「対策を立てる」が前提の作業です。サーベイランスはする、しかし、対策は取らない、ではサーベイランスは単なる時間の無駄です。サーベイランスは感染対策の手段なんです。(原文引用)

サーベイランスは、注意深く監視するという意味です。ここでは感染症(市中・院内)、薬剤耐性菌に関する発生状況や変化を継続的に監視する事についてお話しします。サーベイランスの目的は、監視することで感染症の動向を把握したり、対策の効果を判定したりすることです。情報を収集し、検証、分析を経て解釈を行います。解釈結果を対象者に迅速にフィードバックして対策に活かしていきます。(こちらのサイトから引用→ AMRの院内感染対策

岩田教授は、サーベイランスを効果的なものにするためには、行政がきちんと仕事をして感染対策に役立てることが重要だとしています。現行の感染症法では梅毒を減らす方法とのリンクしていないことを指摘しています。

今回の武漢コロナウイルス感染(国内)においても、サーベイランスを行い、今後の感染症対策につなげていって欲しいところです。

本書は感染症領域においては現場での経験値が高い医師によって書かれているので、大方信用できる内容だろうと感じます。しかし、やはり科学というのも絶対でないので、私の考えとは異なる部分もいくつかありました。ここではあえて反論しませんが、私自身ももっと勉強して、自信がついたらその時に意見を述べたいと思います。

今回はちゃんとしたレビューができてませんが、毎度のことながら、トピックとして上がってきたものに対しての参考書として、以後も本書を活用していきたいと思います。感染症に興味のある方は、ぜひ一読を!

何はともあれ、世界的なパンデミックに陥ってしまった武漢発祥のコロナウイルス。早く収束に向かって欲しいですね。。。

あすも はりきゅう整骨院(品川駅徒歩5分)