チキンフォーより、ビーフフォーが好き!

どうも、あすも院長です。

今回は書籍の紹介です。夏前から読み始めてはいたのですが、途中で止まったり、他の本を読み始めてしまったりで、、、ようやく最近になって読破しました。

『腰痛放浪記 椅子がこわい』
 著者:夏樹静子

私は小説はほとんど読まないので、恥ずかしながら患者さまから教えていただくまで、小説家の夏樹静子さんのことは存じ上げませんでした。著者自身が腰痛でだいぶ苦労されたという内容の本だと紹介いただき、それは向学のためにぜひ読まねばならないと思い、読ませていただきました。

<概要>
 著者自身が原因不明のひどい腰痛に3年間も悩まされた末になんとか回復するという腰痛体験記。様々な治療(整形外科・水泳・鍼灸・整体・祈祷などなど他にもたくさん)を試みるもののどれもこれも効果がない。病院で検査をしても体に異常を示すものも見当たらない。しかし、最終的に心療内科(当時はまだ目新しい診療科)のドクターにかかり、入院をしてカウンセリングや投薬、自律訓練法〜断食療法などを経験し、最後には痛みから抜け出すという話。痛みの治らない原因は、ワーカホリックであり人気作家・夏樹静子というプレッシャーもさることながら、頑なで完璧主義である性格が及ぼす心の病だった。

彼女が経験したのは器質的な腰痛ではなく、心因性疼痛障害(心身症)だったという結論です。

著者は「あとがき」で以下のように述べています(原文を引用)

「この経験から何を学んだかと問われれば、私はまず二つのことを頭に浮かべる。
いわゆる心身相関、心と身体がいかに密接に関わっているか。
いまひとつは、人間の中には自分の知らない自分が潜んでいて、その自分(潜在意識)が人間全体を支配することもあるということ。」

今日では「心療内科」の看板を多く目にするようになりましたが、本書が発行されたのが1997年と考えると、世の中的にはほとんど知られていない診療科だったかと思います。

私はまだ鍼灸大学の学生で、ちょうど4年生の講義で「心身症」という名前を聞いたのが初めてだったかと記憶しています。

東洋医学にはもともと、身体と心は一体であるという「心身一如」という考え方がありますので、心身症の講義を聞いたときにはあたりまえのことだと普通に受け入れていました。

そういう意味では、夏樹静子さんがご自身の症状と「心療内科」の存在とその有効性を世に知らしめたのは医学界にとっても大きなことだったかと察します。ただし、今日では心療内科の医者もピンキリだという話も聞きますので、痛みがあるからすぐ受診というのも考えものです。信頼できるドクターの元で治療に臨んでほしいと思います。

また鍼灸治療は 夏樹さんの場合は あまり効果的ではなかったようですが、器質的な腰痛には効果的に作用しますので、痛みでお困りの方は是非ご相談ください。

品川駅から徒歩5分
あすもはりきゅう整骨院